僧が祈っていると、石が割れ中から狐の姿をした人(後シテ)が現れ、 鳥羽の院の命を狙い損ね、那須野に逃げてきたけれど、 勅命を受けた三浦の介と上総の介に追われて遂には矢で射られてしまい、 執心が残って石になった様子を見せて、これからは殺生をしないと約束して成仏します。
後場になって、後シテの動きが前シテと全く違い、きびきびとしたものになったのには大変驚きました。 同じ人がシテをしているとは思えないほどで、鳥肌が思わず立ってしまいました。
ちなみに、大鼓を勤められていた大倉正之助さんは、素手で大鼓を打っておられるそうで、かなりソフトな音の感じを受けましたが、後の大鼓独奏では、ハードな音も聞くことができました。
初めてこの話を読んだときは、それほど大きな石だとは思わなかったのですが、 舞台に出てきた作り物の石は岩と言ってもいいくらいの大きさでした(普通は石の作り物は出さないそうで、 80年ぶりに作り物が出たそうです)。
前シテが正体を告白する時、そんなに大きな声で言わなくてもと感じましたが、後でよく考えてみると、 石となるほどの執心で苦しみに苦しんでいたところに、僧が来たので、 助けを求めて号泣したという感じを表現したかったのかなと一人で納得しました。
また、三浦の介と上総の介に追われて矢で射られてしまう後シテの動きが大変わかりやすかったです。