蝉丸
帝の子である蝉丸(ツレ)は生まれつき目が見えません。
蝉丸の来世が良くなるようにと思った帝は清貫(ワキ)に命じて蝉丸を逢坂山に捨てるよう命じます。
舞台は蝉丸が清貫に連れられ逢坂山に着いたところから始まります。
帝の命令を不審に思う清貫ですが、蝉丸は自分の来世を思ってのことだと帝を恨みません。
が、髪をおろされ出家した後、一人残された後は蝉丸も悲しくなってしまいます。
中入りで博雅の三位がやって来て、蝉丸のために藁小屋を作ってあげその中に蝉丸を住まわせます。
一方、蝉丸の姉にあたる逆髪(シテ)は髪が逆立ち、狂女となってさまよい歩いています。
ふとしたことで逢坂山にやってきた逆髪は藁小屋の中から琵琶の音が聞こえるのに気付き
近寄ります。
人が近づいたことに気が着いた蝉丸は、博雅の三位かと声をかけたところ、逆髪は小屋の中に
いるのが弟であることがわかり、互いに手をとり姉弟の再開となります。
が、しばらくしてから名残を残しながら、姉の逆髪はどこへともなく去っていってしまうのでした。
激しい動きといえば、姉弟の再開の時に小屋の扉を勢いよく開けて蝉丸が出て行く場面くらいで、
淡々と話しは進みますが、前場の悲しみの場面から、後場に逆髪が登場すると舞台が明るく
なった感じがします。しかし、終わりに再び悲しみにくれた別れがあり、変化に富んだストーリー
でした。
逆髪の髪形は現代風に感じられ、
笹の枝を持って逆髪が橋掛かりに立って謡う姿は大変美しく感じました。
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