しかし、五郎は、出家するようにとの勧めに背いたために勘当されているため、 まず十郎が母親に会い、五郎を許すように申し入れますが聞き入れてもらえず、 十郎に促されて五郎が母親に会いに行きますが、母親は怒りだし、二人に勘当を申し渡します。 が、二人が立ち去ろうとすると、母親は勘当を許すと言い、十郎と五郎は喜び、舞を舞って旅立ちます。
役柄なのかお二人の芸風の違いなのか、十郎は能らしく演じていらっしゃったように思いますが、 五郎が母親の前で頭を下げている間、時々肩を動かしているところから号泣しているように見え、 こういう表現もあるのかと思いました。
「夏休み子どもの能」ということで、果たして小袖曽我が子ども向きの 曲目なのかと思って見に行ったところ、 なんと、十郎と五郎役は、13歳と10歳の人が演じていました。 13歳の人は声変わりの真っ最中のためか、苦しい謡いでしたが、 10歳の人の方は、梅若慎太郎君と言い、10歳とは思えない謡いで 大変驚きました。
見どころは最後の十郎と五郎の舞いでしょう。普通の曲目では、面を付けた シテが一人で舞うのですが、この曲目では、面をつけていない武者姿の 二人が舞い、大変勇壮な感じを受けます。
なお、曲目の中では、十郎は「祐成(すけなり)」、五郎は「時致(ときむね)」 と呼ばれます。このことを覚えておかないと、誰についての話しなのか 混乱してしまいます。