加茂

舞台には、白羽の矢が立てられた作り物が置かれます。

播州室の明神の神職(ワキ)が、室の明神と一体の京都の加茂神社に初めてやって来ます。 すると、壇があり白羽の矢が立っているのを見つけます。 そこに女の人が二人(前シテとツレ)が水を汲みにやってきたので、何なのかを尋ねます。 女の人は、昔のいわれを語ります。 昔このあたりに住んでいた秦の氏女(はだのうじにょ)という女の人が川の水を汲み、朝夕、神様に手向けていると、 ある時、川上より白羽の矢が流れて来て、水桶に入り、その矢を家の軒に刺したところ、 間もなく妊娠し、男の子を産みます。その子が3歳になったとき人々が父は誰かと尋ねたところ、軒の矢を指し成雷(なるいかずち)となり、神となり、 その子も母親も神様となったことを語ります。 そして、川の上流のことを話していると、神職があなたはいったい誰なのかと尋ねると、自分は神であると言って消えてしまいます。

神職が有難い気持ちになっていると、御祖神(みおやのかみ)が現れ、舞を舞い、その後、別雷(わけいかずち)(後シテ)が現れ、 五穀成就などを説いて飛び去ります。


前半の里女と後半の別雷の神が対照的でした。 前半は全体としてしっとりとした感じでしたが、 終わりは謡に漢語がたくさん入ってきて、勇壮な感を受けました。

ワキ、囃子はかなり気張っていたようでしたが、シテはそれに引っ張られず、 現実の人間ではない超越した存在をうまく表現していたように思います。



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