太郎冠者は、若い衆が歌合わせの準備で詠んでいた歌をお教えしましょうと、
七重八重という和歌(ちょっと間違っているかもしれません)を 教えますが、大名はそんな長いものは覚えられないと言います。 それでは、ものになぞらえて覚えれば良いでしょうと太郎冠者が提案し、「七重八重」 というところで、扇を開いて扇の骨が七本、八本となるように開いてこっそりお見せ しましょうと、カンニングを行なう手はずを整えます。
九重とこそ
思いしに
十重咲きほこる
萩の花かな
大名と太郎冠者が庭に着き、庭の持ち主に、庭にある梅の木や庭石などを褒めようと しますが、庭石は火打ち石にちょうどよいと言いそうになりながら太郎冠者になんとか 助けられ、いよいよ萩を見て和歌を詠むことになります。手はず通り、太郎冠者が 扇を開くと、大名は「七本八本」と言ってしまうなど、そのつど太郎冠者から小声で 教えてもらいながら、なんとか最後の「萩の花かな」を言うところまで来ます。 太郎冠者は手はず通り、自分のふくらはぎと鼻を指しますが、バカバカしくなったのか、 どこかへ行ってしまい、庭の持ち主から歌の最後の部分をどうしても教えてくれと 言われますが、大名が最後の部分を言えなくなってしまい「太郎冠者のむこうずね」 と叫んでしまったりで、大恥をかくという狂言です。