蟻通

紀の貫之(ワキ)が従者を従え馬に乗り、まだ行ったことない住吉玉津島へ赴くと、 突然暗くなり、雨がざぁざぁ降ってきて馬が動かなくなってしまいます。 貫之が困っていると、傘をさし松明を持った老いた宮人(シテ)が現われ、 蟻通の明神の敷地に馬に乗って入ってきたための咎めとして雨が降り、 暗くなったのだろうと言い、紀の貫之ならば、和歌を奉納してはどうかと言います。

そこで、貫之が「雨雲の立ち重なれる夜半なればありどおしとも思うべきかは」 という和歌を作ると、宮人はおもしろいと感激し、和歌の徳を賛えます。

雨もやみ、貫之にうながされて宮人が祝詞(のっと)をあげていると、 実は自分は蟻通の明神であることを明かして消えてしまします。 貫之は夜が明けるのを待って出発しました。


相当激しい雨だったようで、シテはゆっくり出てきました(あまりにゆっくりだったせいか、 大鼓の人が気にして橋がかりを見ていました)。

ワキの動きがおもしろく、馬が動かず困った様子や、 雨がやんで馬が動き出した様子がよく出ていたと思います。


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