浦沢直樹


MONSTER「モンスター」

 1986年、西ドイツに一人の日本人医師がいた。
 彼はDr.テンマ。天才的な脳外科医であり、勤務する大病院の院長令嬢との
婚約も決まり、まさに順風満帆であった。
 そんなある日、銃撃事件で頭を撃たれた少年と、そのかたわらで発見された外
傷はないがショックで正気を失っている少年の双子の妹が、病院に運び込まれ
た。少年の手術の準備をしているテンマの元へ、後から運ばれてくる有力者の手
術を優先しろと命ずる院長の電話が。
 医師の本分を捨て切れず、先に運び込まれた少年を救ったテンマは、院長の手
により出世街道から外される。
 自らの将来を棒に振って救った昏酔状態の少年のかたわらで、院長へのいきど
おりを吐き出すテンマ。「あんな奴、死んだほうがマシだ!!」
 そして、テンマの運命の歯車は回りはじめた──


 浦沢直樹が「化けた」一作。
 このままゆけば、間違いなくこの作者の代表作となるでしょう。
 人によっては「パイナップルARMY(工藤かずや原作)」や「MASTER
キートン(勝鹿北星原作)」の延長線上の作品と見るかもしれませんが、原作付
きの漫画は基本的には原作者の作品であると、私は考えます。
 よって、この作品は「YAWARA!」や「HAPPY!」など、「女の子の
スポ根」路線で連載を持っていた作者の新境地を開くものであると言えるでしょ
う。

 とにかく、1巻を読んでみて下さい。ハマること、うけあい。

 しかし、一つ疑問が。
 なんで、ドイツなのに「Dr.」のルビが「ドクター」なんだあ?(笑)

  ネタばれ注意

 MONSTER「モンスター」 既刊7巻
  小学館 ビッグコミックス


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