木原敏江


夢の碑

 時代物を中心とした、オムニバス形式の作品。
 第1巻の初版は1984年。この時点ですでにベテラン漫画家であった作者
の、完成されていたかに見えた少々時代遅れな画風は、10年以上に渡るこの作
品の連載を通じて、流行を超えた進化を果たした。
 時代を背景に紡がれる耽美な物語。これぞ、日本のロマンチシズムです。

 なにぶん、長短取り混ぜたオムニバス形式なので、紹介がしにくい。
 主な長編の収録巻数を明示して、それを紹介する形でさせていただきます。

 とりかえばや異聞 1〜2巻
 時は戦国時代。
 一見男に見えるりりしさを持ち、その上剣のウデも立つ美女・紫子と知り合っ
た風吹は、遊女と客という関係ながらあまりにそれらしくない紫子に魅かれてゆ
く。
 突然に姿を消した紫子に疑問を持ちつつ、仕事のために瀬戸内の小国に赴いた
風吹は、そこで紫子とうりふたつの領主・碧生と出会う。

 風恋記 4〜8巻
 額の中心にあるホクロを天紋、足の裏の中心にあるホクロを地紋と呼び、ふた
つそろえば天下もとれる力を持つと言う。
 天紋を持つ少年・融明と、地紋を持つ少年・露近の運命を、鎌倉時代の貴族の
衰退と武士の台頭を背景に描き出す。

  9〜12巻
 その美しさゆえの刃傷沙汰が元で切腹寸前であった久居藩重鎮の末息子・篠夫
は、彼にひそかに想いを寄せていた醜女の腰元・可那枝に助けられる。
 手に手をとって江戸に向かった二人は、おとりつぶしになった旗本の跡取り息
子・主理と出会う。
 江戸時代の雑学ネタ満載で、知的好奇心も満たしてくれる作品。

 雪紅皇子 14巻
 天皇家が南朝と北朝に分裂していた時代。
 人の胸に触れるとその人の考えていることがわかってしまう不思議な力を持っ
ている娘・根姫は、旅の法師の導きで南朝の二の宮(第二王子)・映宮忠義王に
仕えることになる。
 京を追われた南朝の衰退の物語。

 夢の碑 既刊18巻+番外編2巻
  小学館 PFコミックス


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