インナーカルテット


このモチーフでは現在最高の漫画

『インナーカルテット』......読みすすむうちに多重人格ネタだと判ったとき
に、「カルテットって〜〜んだから、4重人格なんだろうなあ」とは予測した。
そのうちの一人が女の子であるというのも、まあ、予測できた。
 しかしなあ。犬というのは予測できなかったなあ。

 さて、この作品は、多重人格とその統合を題材にしている。
 多重人格ネタというのは、決して珍しくないのだけど、ギャグのドタバタの種
とか、ホラーやミステリーの味付けではなく、そのものをモチーフとして真正面
から取り上げた作品というのは、これが最初なのではないかな?(「多重人格の
統合」というのは、「伸たまき」が『2821コカコーラ』(新書館刊、ウイン
グスコミックス)で、あくまでも味付けとして使っていたが、それ以外は記憶に
無い)

 同じ顔の人格による描き分けと、わがままぼっちゃまスチュワートの傲顔さが
変化して行く描写が秀逸。
 多重人格について掘り下げながらも、単なる多重人格の話ではなく、立派に少
年の成長物になっているという点で、他の多重人格をネタにした作品と一線を画
している感がある。

大きな栗の木の下で』でもそうだが、かわみなみのギャグとシリアスのバラン
ス感覚は、独特のものがあると思う。私は好きだ。


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