この作品は、ペアスケーティングを題材にしている。
フィギュアでペアといったら、当然男女のペアなわけだ。
コンマ1の得点を争う競技の世界で、共に闘うべきパートナーとの間に生まれ
た愛情。
「守ってやりたい」と思う気持ちは、結果的に相手の成長を妨げる。一方的に守
り守られる関係では、真の高みへは到達できないのだ。
本当に相手のことを思いやるなら、時には突き放すという自分にも辛い選択も
必要であることを、この作品は語っている。
ストーリーは最初から計算されていることを感じさせる。ということは、
1978年連載開始当初から、作者はこのテーマを考えていた事になる。
70年代の少女漫画の殆どは、「守る男、守られる女」というのが根底にあっ
たはずだ。その中で80年代にかけて「自立する女」を示唆したこの作品は象徴
的。
同じ作者の『白のファルーカ』(連載時期1987〜1989)においては、
突き放す側が女性に逆転しているというのが、時代の変遷を感じるね。